こんばんは、コウです。
実は今日、妻と私の血糖値のコントロールについて、少し揉めてしまいました。
私の今のHbA1cは6.8。妻は私の体を本当に心配してくれていて、目標である「6%以下」を目指し、日々の食事管理を含めて必死にサポートしてくれています。
しかし、なかなか目標に届かない現状に対して、妻は私を責めるどころか、「私のサポートや知識が足りないせいだ」と、自分のことを責めて深く落ち込んでしまったのです。
一番胸が締め付けられたのは、妻が私に引け目を感じて、「大好きなアイスを食べるのをやめる」と言い出したことでした。
病気なのは私なのに、一番近くで支えてくれている大切な人が、自分を追い詰めて笑顔を消してしまう。これほど夫として、当事者として辛いことはありません。
もちろん、大前提として悪いのは、この病気を持っている私自身です。決して現状に開き直っているわけでも、コントロールを諦めているわけでもありません。自分の不摂生や至らなさを深く反省し、どうにかしたいと毎日もがいています。
ですが、だからこそ、病気の当事者ではない妻が、まるで自分の罪であるかのように苦しんでいる姿を見るのが耐えられないのです。
この記事は、糖尿病と向き合う患者さん本人ではなく、その「周りにいるご家族やパートナー」に向けて、当事者である私の本音と、薬剤師としての視点から伝えたいことをまとめました。
1. 知ってほしい。どんなにプロが支えても、血糖値は理不尽に乱高下する
支えてくれるご家族にまず知ってほしいのは、「あなたがどれだけ完璧な食事管理やサポートをしてくれても、100点満点のコントロールをするのは物理的に不可能に近い」という事実です。
外から見れば「食事を気をつけて、インスリンを打てば下がる」と思われがちですが、体の中では驚くほど理不尽なメカニズムが毎日リアルタイムで起きています。
- 計算がすべてご破産になる「体調の変化」: 例えば、ほんの少し風邪をひいた(体にストレスがかかった)だけでも、血糖値は一気に跳ね上がります。どれだけ精密に糖質量を計算してインスリンの単位数を合わせたとしても、その日の体調ひとつで事前の努力がすべて吹き飛んでしまうのが、この病気の本当の難しさです。
- インスリン量を増やしたときの罠: よかれと思ってインスリン量を増やせば、食後に低血糖になります。すると体は危険を察知して防衛反応を起こし、その後、吸収された食事由来の糖分も相まって、かえって激しい高血糖(リバウンド)を引き起こします。
- 運動による謎のタイムラグ: 「運動をすれば下がる」というのも一筋縄ではいきません。ジョギングをすればその直後は一時的に低血糖を起こすのに、筋肉やホルモンの関係で、1時間後にはなぜか高血糖になったりします。
これらは、支えてくれているあなたの知識不足でも、メニューのせいでもありません。医療従事者である私から見ても、予測不能な「体の理不尽な波」のせいなのです。
2. 病気と戦う私から、支えてくれるあなたへ伝えたいホンネ
誤解しないでほしいのは、私は自分の数値を「仕方のないこと」として片付けたいわけではない、ということです。自分の体だし、悪いのは自分。もっとやれることがあるはずだと、思っています。
けれど、真面目で優しい家族ほど、パートナーの数字が良くないと「私がダメだからだ」と自分を追い詰めてしまいます。
私のために、大好きなアイスを我慢すると言い出した妻。毎日食べているわけでもない、たまのラーメンやアイスといった日常の小さな楽しみすら、私の病気のせいで「罪」のように感じさせてしまっていることに、私は激しい申し訳なさと胸の痛みを覚えました。
病気と戦う当事者として、家族に求めているのは「完璧な管理のプロ」になることではありません。
毎日この理不尽な血糖値の波と格闘する中で、「隣に笑顔でいてくれること」。ただそれだけで、私たちの心はどれほど救われているか分かりません。私のために、あなたが大好きなものを諦めて、笑顔を消してしまうことの方が、何十倍もショックなのです。
3. 患者のパートナーが、自分を追い詰めないために
もし、大切な人のサポートで行き詰まっているご家族がいたら、どうか次の3つのことを心に留めておいてください。
① 数字(HbA1c)を「あなたの通信簿」にしないで
6.8%という数字は、あなたのサポートが失敗した証拠では絶対にありません。毎日これだけ予測不能に暴れる血糖値を、あなたが一生懸命に支えてくれたからこそ維持できている、誇るべき立派な数字です。
② 「たまの息抜き」を一緒に笑顔で楽しんで
たまに食べるラーメンやアイスは、病気と長く付き合っていくための大切な心の栄養です。あなたが引け目を感じる必要は一切ありません。むしろ、あなたが笑顔で「美味しいね」と食べてくれる姿が、患者である私たちの孤立感や罪悪感を一番きれいに消し去ってくれます。
③ 完璧を目指さない空気感を、二人でつくろう
心が先に疲弊してしまうくらいなら、完璧じゃなくていい。「今日は体調のせいだからしょうがないね」と笑い合える安心感こそが、長期戦の治療には何よりの薬になります。
まとめ:私のために、あなたが笑顔を消さないで
血糖値のコントロールは、本当に難しいものです。どれだけ尽くしても、裏切られることの方が多い世界です。
だからこそ、大切な人の病気を支える中で、数字に一喜一憂して自分を責めているご家族がいたら、どうか自分を許してあげてください。
「もう十分やってるよ。今日はしょうがないから、たまには一緒にアイスでも食べよう」と言って、お互いに笑い合ってほしいのです。
私も今日、深く落ち込んでしまった妻に、まずは「君のせいじゃないんだよ。いつも本当にありがとう」と、私の言葉でしっかりと伝えようと思います。

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